2024年10月5日 父に宛てた言葉

三十を手前にして、急激に、死期を意識するようになりました。
二十歳前後の時の様に、生きていることが不思議で怖いのではなく、
「ああ、私もいつかこの世を去るんだ」と納得して、
人生の中で一瞬の、若い時期を過ぎつつある私は、明日、今日、いつ死を迎えても、
執着する事なく、帰るべき場所へ帰ると確信しています。

最期が寂しいのではなくて、ただ、今まで出会い関わった人たちに対して、
家族、恋人、友人、知人、隣人、怨敵の差異も無く、
全てに、ありがたく、うれしく想う気持ちでいっぱいなのです。

きっと最期には「皆と、もう一言だけお話ししたかった」という僅かな名残惜しさを感じて、
それでも、私は離れるのではなく、まだ現世に残る人々を、見守る側に立つだけでしょう。
その死生観に至れたことが、無条件の安堵を生み、死を意識する度に嬉し涙が頬を濡らします。
ですから、生きる時間が愛しく思えて、仕方がないのです。

 今日の日記は長々と書く事はせずに、私の父に宛てた言葉だけを載せて終わりたい。

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